Oracion

ー祈謳(オラシオン)解説書ー

【忘れじの銀梅花の園(ナピシュテム・カンタレラ)】

 

シサラの祈謳。体内の特殊な毒液を水流に乗せて広範囲に拡散させる特殊効果系の祈謳で、拡散した範囲には彼の霊力が結晶化した銀梅花が咲き乱れ、見た目には幻想的な光景が広がる。

 

この祈謳は周辺に水場を作ることで敵騎の行動範囲を制限すると共に、水場に入り込んだ対象に強力な幻覚作用をもたらし、水流や銀梅花から立ち昇る毒気を吸い込んだ者の方向感覚を狂わせ、敵味方の認識を逆転させ、同士討ちを誘うというえげつない効果を持つ。

また、長時間発動し続ければ五感も狂わせ(例:寒暖差の感覚の逆転、聴覚・触覚の一時喪失)、脳の働きさえ麻痺させ意のままに操ることも可能であるなど、単騎対多騎の状況に非常に強い祈謳である。

水自体も毒気を含んでいるので長時間浸かっているのは危険。

 

特に後者の効能から『自白剤』のようなものとして用いることができ、《東西航空組合》では犯罪捜査において非常に重宝されている。

 

これには、檳榔(ビンロウ)を好むというシサラの習性が影響している。檳榔(ビンロウ)には人体に有毒な物質が含まれているのである。これが影響してか、祈謳自体にも強い酩酊作用と興奮作用があり、際限なく使用し続けると中毒になってしまう可能性もあるらしく、その能力は《東西航空組合》によって秘匿され、ごく限られた人物しか知らない。

 

本来はこの祈謳によって陶酔状態に陥った生物の悪夢を脳味噌ごと吸い取るという使い方をするらしい。

 

ちなみに、水流を生み出す祈謳なので雷の祈謳を拡散させることができ、特にジノと組んだ場合は凶悪の一言に尽きる。

【壁雲より降り来たる烈槍(ヴァジュラ・ヴィジャヤ)】

 

ジノの祈謳。雷雲を呼び寄せて身体に電撃をまとわせ自己強化する。これだけでも一撃一撃に雷撃が乗るので充分強力だが、雷は段階的に蓄積することができ、最大出力まで貯めると尾に巨大な雷槍を形成することが可能。攻撃範囲が広がるだけでなく、これにより対象を一撃で仕留めることもできるようになる。

ゲームに例えると、狙い定めた対象一体を倒しきるまでは単体攻撃だが、八連続以下の攻撃で対象が倒れた場合、対象を導線として周囲に雷撃が拡散し広範囲攻撃に変化するという凄まじい荒技

しかし、雷槍を出せるようになるまでに溜めきるには相当な時間を要する上に反動も大きく、特に雷槍を放った後は疲労により通常以下の運動能力にまで一気に弱体化し数十日は祈謳を使えなくなるため、おいそれと発動できるものではない。

 

また、ジノ自身の性質の問題で活性化するとテンションが上がって自制がきかなくなる=具体的に言うと命中精度が落ちるため、強力な一方で誰かのサポートがないと真価を発揮できない祈謳でもある。